ノンフィクションで行く異国漫遊ひとり旅

ウィーンは迷子になっても美しい街並みが楽しめる!

ついに海外もヨーロッパへ!
東南アジアの楽しい思い出を胸に、7カ国目オーストリア。

12時間の長旅、時差8時間ももろともせず、
時差ぼけもなく体調はすこぶる良好。
が、ウィーンの空港到着時はマイナス10℃という
今までに体験したことのない寒さ。
どうやら大寒波が来ていたとのこと。

ホテルを目指し、列車を使い市内の駅にたどり着くも
大雪と寒さが行く手を阻む。
ホテルの地図をもとに歩くこと1時間、さっそく道に迷う。
日も暮れて辺りは暗くなる。
歩く人もまばらになる。
日本のようにコンビニが無いため、ガソリンスタンドの店員に尋ねると
このホテルは隣駅だという。

歩くこと1時間、やはりたどり着けない。
徐々に寒さが応え、手袋をしていても手がかじかむ、
足の指まで冷えてくる。
が、道に迷っても、芸術な街並みにはさすが音楽の都。とても幻想的。

しばらくすると、ガラス張りで何かのショーウィンドウの建物、
オフィスが目に入り、尋ねることにする。
ふくよかな女性が対応する。

社員『まあ寒い寒い、外で説明できないわぁ!
オフィスに入りなさーい』

オフィスの中はとても暖かい、ホテルの住所をインターネットで検索してくれて
他の社員も検索結果を見て探してくれる。
どうやらホテルはここから2駅先になるそうで、
この寒さで歩ける距離では無いらしい。
とても親切に対応してもらい、御礼をし、オフィスを後にする。

地下鉄に乗り2駅、辺りは何もない。
店も閉まり、人がいない。真っ暗闇。
本当にホテルの最寄り駅はここなのかと不安になる。
歩き彷徨うこと1時間、どうしても見つからない。
トイレにも行きたい。
すると暗闇の中、
まだ営業中の怪しげなバーから1人の体格のいい男性が出てくる。
しかし寒さの中、体力、気力も限界に近い私には、
この男性に聞くしか選択肢が無かった。

男性『あん?どこ?うーむ、うぃっ、ふぅー、うぃっ』
酔っ払いすぎてまともな判断力があるとは思えない。
かなり酒臭い。

男性『この道の・・ここから、1、2、・・3ブロック先の・・
ぶふぉ、とにかくまっすぐ、300メートル先だ、
そこにホテルがある、はずだ・・うぃっ!』

男はそう言い残し、ふらふらと煌々と唯一明るいバーの中に姿を消す。
私自身も寒さと疲労、漏れそうなので冷静な判断ができない、
ここは酔っ払いのナビを信頼するしかない。

しばらく歩く、ホテルなど見えない。
いや、まだ100メートルしか歩いてないのか。焦る気持ちを抑え
また歩く。
まだ何も見えない。雪しかない。
いや、まだ200メートルしか歩いてないのか。漏れる気持ちをそらし
また歩く。
そろそろ300メートルのはずだ、やはり単なる酔っ払いの戯言だったか。
もう我慢の限界だ。
が、不意に真横にホテルのドアが目に入る!
ドアを開ける!受付に行く!

私『予約してあるはず・・・』
受付『・・・確認します。ふむ、チェックイン?』
私『まず、トイレに』

最後の力を振り絞り、私はトイレに向かって駆け出す。
ホテルのトイレには、クラシックのワルツのメロディが流れていた。