日本のコンビニやスーパー、どこにも間違えなく「お弁当」を売っている。
中国には、元々お弁当の風習がなく、強いて言うと、“盒饭”というものがある。
ただ、“盒饭”はコンビニにもスーパーにも売っていない。道端の小さな飯店(レストラン)で売られることが多い。
まぁ、レストランといっても、個人経営の食堂のようなもので、4畳から6畳くらいの広さがあれば、いい方だ。
また、あらかじめ仕上がりして売るのではなく、下の写真のようにいろんなできたおかずを並べて、お客さんの好みで、中から選ばせてくれる。店によって違うが、ご飯は、ただで大盛りにしてくれる店も少なくない。
入れ物も店によって、ワンプレートにご飯もおかずもとにかくてんこ盛りにするところもあり、ご飯とおかずと別々に入れてくれるところもある。
ちなみに、冷菜以外のおかずは、必ず温かい状態で販売される。なぜなら、中国人は、温かい食事をとにかく好むからだ。
日本では、学校やお花見にお弁当持参が多いのだが、それは、最初に日本に来た中国人からすると、誰しも一度くらいは、驚くものであろう。
筆者が昔学校の遠足に、昼食は必ずパンを持って行った覚えがある。また、お昼は、パンだけならお腹が空くから、その日の朝には、いつもの倍くらいの朝食が出ることが定番だった。
今となっては、日本などの海外文化も取り入れられ、多くの店では、日本に似た(仕切りのある)容器で、“盒饭”を盛ることも増えたが、いまだに、冷たいご飯とおかずを食べられない中国人も多かろう。
筆者も日本在住16年になるが、まだまだ中国の“盒饭”の味が忘れられずにいる。